FXは、数ある投資の中でも
「リスクが高い」
「ギャンブル」
というイメージを持っている人が多いです。
そのため、もっとリスクを減らして投資をしていきたいと思っている方も多くいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、リスクを最小限に抑えて利益を出せるスワップポイントについてご紹介していきます。
スワップポイントとは
「そもそも、スワップポイントってなに?」
と言う方向けに、まずは言葉の意味から理解からしていきましょう。
FXは難しい用語がたくさんありますので、1つ1つしっかり理解していくことが大切です。
スワップポイントとは金利差分の利益
スワップポイントとは、一言で言うと、金利差分の利益のことを言います。
金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買えば、その2カ国の金利差額を受け取ることができます。
逆に、金利の高い通貨を売って金利の低い通貨を買ってしまうと、その2カ国の金利差分を支払わなくてはいけなくなります。
一般的に、FXは為替差益で利益を出す投資と思われがちですが、実はそれ以外にも利益を出す方法があり、その方法がこのスワップポイントの金利差分から得られる利益になります。
マイナー通貨が高金利
スワップポイントは日々変動しており、スワップポイントを狙うトレードには現在高金利と言われているトルコリラやメキシコペソなどのマイナー通貨を狙ったトレードがおすすめです。
日本の金利はおよそ-0.1%で、金利水準が高いペソ(メキシコ)の金利はおよそ4.5%。
つまり、金利の安い日本の円を売って、金利の高いメキシコのペソを買った場合は以下のとおりです。
4.5(%) – -0.1(%) = 4.6(%)
4.6%の金利差分が毎日受け取ることができるのです。
スプレッドが広いものほどスワップポイントが高い
FXでは、通貨を買う場合と売る場合では、価格レートが異なります。この価格レートの差をスプレッドと言います。
スプレッドは通貨により異なり、流動の多いメジャー通貨はスプレッドが狭く、逆に流動の少ないマイナー通貨はスプレッドが広がる傾向にあります。
通常、スプレッドは広いものほどトレーダーとして不利になるのですが、スワップポイントを狙ったトレードの場合スプレッドはそこまで影響がありません。
それは、スプレッドが広いものほどスワップポイント(金利)が高くなるからです。
メジャー通貨とマイナー通貨の特徴
ではメジャー通貨やマイナー通貨を組み合わせた場合、どのような特徴があるのでしょうか。
メジャー通貨×メジャー通貨ペア
メジャー通貨ペアは流動性が高く相場が安定している分、金利(スワップポイント)は低く設定されています。
またメジャー通貨は情報を入手しやすいため、比較的初心者トレーダーにおすすめです。
短期間で大きなスワップポイントは望めませんがリスクを極力抑えたデイトレードには最適です。
メジャー通貨×マイナー通貨ペア
一方、マイナー通貨とメジャー通貨のペアの場合、マイナー通貨の相場が急変しやすいことからハイリスクなトレードになります。
しかし、その分スワップポイントが高いためハイリターンを望めます。
マイナー通貨はスプレッドが広いため、長期的なトレードに向いており、保有しているだけでスワップポイントがたまるため高金利狙いでのトレードにはおすすめです。
スワップポイントが入るタイミング
では、スワップポイントはいつ入るのでしょうか。
ロールオーバーしたとき
スワップポイントが入るタイミングは、翌営業日にポジションを持ち越したときです。
FXでは、ポジションを保有したまま、次の営業日に繰り越すことを「ロールオーバー」と言います。
そして、ニューヨーク市場が終わる時間にロールオーバーが行われて、スワップポイントが付与されるのです。
- 夏時間:AM5:55
- 冬時間:AM6:55
上記の時間までポジションを持ち越していれば、スワップポイントの付与が確定されます。
※ 国内外の祝祭日の影響により、ニューヨーククローズ時点でポジションを保有していてもロールオーバーが行われないため、スワップポイントが発生しない営業日があります。
保有しているポジションを営業日をまたがずにその日のうちに決済した場合は、スワップポイントが入らないのでご注意ください。
ある程度の期間ポジションを保有することになりますので、スイングトレードや長期トレードをする方にとっては利益を出しやすくなるという特徴も覚えておきましょう。
週に1度スワップポイントが3倍になる!?
土日は市場がしまっているため、土日分のスワップポイントは後日改めて付与されるため3倍付与された計算になります。
付与される曜日はFX業者により異なります。
例えば人気のXMでは水曜日に水・土・日の3日分が付与されるのですが、火曜日にポジションを決済してしまうと土・日のスワップポイントが付与されません。
そのため、何曜日に土・日のスワップポイントが付与されるのか、必ず確認しておきましょう。
スワップポイントのメリット
では、スワップポイントのメリットはどんなものがあるのでしょうか。
以上3つのメリットを解説していきます。
リスクが少なくテクニックがいらない
FXというと、リスクが高くギャンブルというイメージを持っている方も少なくありません。
ただ、このスワップポイントは、リスクが低くテクニックが不要なので、FX初心者でも、比較的稼ぎやすいのが特徴です。
金利差分だけの利益なので、金額としてはそこまで大きくはないですが、数%の金利が毎日付与されるというのは大きなメリットではないでしょうか。
平均金利 | |
---|---|
国内銀行 | 0.003% |
トルコ(リラ) | 8.25% |
メキシコ(ペソ) | 4.50% |
中国(人民元) | 4.35% |
ロシア(ルーブル) | 4.25% |
保有するだけなので忙しい方におすすめ
スワップポイントは、保有だけで良いので、仕事や家事などで忙しい方におすすめです。
常に相場をチェックして、
「いつ注文を入れるか」
「いつ決済すれば良いのか」
などを待つ必要がありません。
注文を入れて、あとは放置しておけば、自動的にスワップポイントでの利益が増えていきます。
スイングトレードや長期トレードとも相性が良いので、精神的に安定して投資をすることができます。
ハイレバレッジと相性がいい
そして、スワップポイントはハイレバレッジとの相性が良いのも大きなメリットです。
国内業者の最大レバレッジは25倍、海外業者の場合は、1000倍のものもあります。
スワップポイントは、2カ国の金利差分の利益が受け取とることができるわけですから、利益としてはそこまで大きくありません。
そこで、レバレッジをうまく活用することで、テコの原理で利益もどんどん大きくなっていきます。
ただ、ハイレバレッジを使うということは、利益だけが大きくなっていくのではなく、万が一、金利差分を支払うことになった場合、支払う額も大きくなるということを覚えておきましょう。
その辺りのレバレッジの管理は必要ですが、スワップポイントを狙った投資自体リスクが低いので、そこまで心配する必要はありません。
スワップポイントのデメリット
スワップポイントではメリットだけではありません。
当然、デメリットもあるので、しっかり頭に入れてトレードするようにしてください。
為替変動リスクがある
スワップポイントの唯一のデメリットは、為替変動リスクがあることです。
多少の上げ下げでは、損失にそこまで影響しないかと思います。
ただ、急騰・急落をした場合は、スワップポイントが変動するリスクがあるので注意する必要があります。
高金利の通貨は比較的マイナー通貨なため、流動性が低く、為替の変動リスクが高いので要注意です。
特に、スイングトレーダーや長期トレーダーの方は、ポジションを放置している間に、為替が大きく変動してプラスだったスワップポイントが、いつの間にがマイナスになっている。なんてこともあり得ますので、こまめに証拠金をチェックしておくことが大切です。
スワップポイントの注意点
最後にスワップポイントを使ったトレードの注意点をご紹介します。
以下、詳しく解説していきます。
両建て禁止の業者でないか
まずは両建て禁止の業者ではないことを確認しましょう。
両建てとは、同じ通貨ペアのポジションを同時に保有することです。スワップポイントを狙ったトレードはこの両建てが基本となりますので、両建てが禁止の業者では話になりません。
両建て禁止の業者で、両建てを行ってしまうと最悪の場合、口座が凍結してしまい利益はもちろん、入金したお金すら戻ってこないということもありますので、必ず、両建てが禁止されていないかを確認するようにしてください。
基本的に同一口座内であれば両建てを禁止していないですが、ほとんどのFX業者では他口座や他業者の両建ては禁止にしています。
その中で両建てを全面的に認めている希少な業者はiFOREXとAXIORYです。
自動売買ツールで両建てされていないか
複数の口座で自動売買ツールを利用している場合、いつの間にか複数の口座で両建てされていた。なんてことにもなりかねません。
一つの口座のみで自動売買ツールを活用するか、ミラートレードで通貨ペアを予め指定しておけば良いでしょう。
また、リピート系発注機能を用いて金利水準の高い通貨で運用するのもおすすめです。
しかし、高金利通貨は変動が激しい為、レバレッジを低めに設定して、資金管理を徹底しておきましょう。
必要証拠金のチェック
先ほど申し上げたように、資金管理つまり、必要証拠金のチェックを徹底しましょう。
スワップポイントは長期間ポジションを保有することになるので、含み損を抱えすぎてロスカットになってしまうリスクがあります。
ロスカットとは、保有しているポジションの含み損が一定の水準を満たした時に、ポジションを自動的に決済されてしまうことをいいます。
ロスカットされてしまうと、コツコツ稼いできたスワップポイントを超える損失を抱えてしまう危険性もあるので、必要証拠金の確認はこまめにしておきましょう。
スワップポイント目的のスイングトレードや長期トレードをしている方は、特に、証拠金維持率ができるだけ高く設定しておくとリスクを最小限に抑えてトレードできます。
スワップポイントのみの出金はできない
海外FXでは、スワップポイントのみの出金はできません。
保有しているポジションに追加されるため、保有しているポジションを決済しないとスワップポイントを出金することができないです。
もし、スワップポイントのみを出金したい場合は、国内FXを使う必要があるのでどのような計画で資金運用をするのかを考えて使い分けましょう。
基本的にスワップポイントで資金運用をする場合は、長期トレードを考えておこなう必要があります。
スワップポイントまとめ
今回は、FXのスワップポイントについて解説してきました。
FXは「リスクが高い」、「ただのギャンブル」というイメージが強いせいで、避けてきた方も多いのではないでしょうか。
ただ、今回紹介したスワップポイントを目的とした長期的なトレードをすれば、リスクなく、テクニックもいらないので、副業で始めることも可能です。
確かに、金利差分だけの利益になるので、金額としてはそこまで多くはありませんが、毎日稼げるというのは大きなメリットになります。
これを機に、皆さんもスワップポイントでお金を稼いでみてはいかがでしょうか?